【スワップポイントとは】その特徴とメリット・デメリットを解説
「放っておいても利益が出る」「相場変動に関係ないなら簡単そう」と考え、スワップポイント狙いのFXを始める方も多いのではないでしょうか。しかしスワップポイントについて正しく理解をしていないと結果的に損をすることがあります。
この記事ではスワップポイントのメリットやデメリット、おすすめ通貨ペア、おすすめの業者を紹介します。またスワップポイントを狙ったFXのコツをあわせて紹介しているので最後まで読んでぜひ参考にしてください。
記事を読むことでスワップポイントの特徴について理解でき、FXで通貨ペアを売買することなく利益を得られるようになります。
FXのスワップポイントとは
スワップポイントとは売買する通貨ペアの発行元となる、国と国の金利差によって生じる損益です。
金利差調整分とも呼ばれ、金利の高い方の通貨をロング(買いポジション)で保有した日数に応じて金利差が支払われます。
逆に金利の高い通貨をショートで保有(=金利の低い通貨をロング)すると、スワップポイントを支払う必要があるため注意が必要です。
スワップポイントの計算方法
具体的には下記の計算式でスワップポイントを算出できます。
取引数量を1万通貨、1米ドル=100円として上記の例を当てはめると、1日あたり
スワップポイント=1万×2.0%÷365(日)×100=55円
10日間の保有でおよそ550円のスワップポイントが受け取れます。
「金利差を把握していないとスワップポイントは利用できない」と思う方もいるかもしれません。実際の取引では利用するFX会社によって、通貨ペアごとのスワップポイントが提示されています。そのためスワップポイントの金額の把握は簡単にできます。
スワップポイントはFX会社によって異なる
同じ通貨ペアであっても、FX会社ごとにスワップポイントが異なることがあります。そのため取引をしたい通貨ペアによってはスワップポイントの比較が必要になります。
スワップポイントは国家間の金利差で決まるため、本来であれば通貨ペアが同じならスワップポイントは同じはずです。FX会社ごとにスワップポイントが異なる理由として考えられるのが「取引を促したい通貨ペアの違い」です。
FXでスワップポイントによる利益を狙う場合、取引をしたい通貨ペアのスワップポイントを比較することが大切です。
FXでスワップポイントを狙うデメリット
スワップポイントのデメリットには下記の3つがあります。
- 相場が安定しない
- マイナススワップがある
- 取引ができない時間に相場が急落
相場が安定しない
トルコや南アフリカ、メキシコなどのスワップポイントが高い傾向にある国の多くは「新興国」と呼ばれ相場が安定しないことがあります。
そのため米ドル/円などのメジャー通貨とくらべてトレンドの形成が安定せず、非常に大きな値動きが発生することがあります。
スワップポイントが高い通貨ペアとして有名なトルコリラ/円は、2021年3月22日の週明けに2円以上の急落が発生しています。スワップポイントの高い通貨ペアは値動きが安定せず、相場の急変によって大きな損失が出る可能性があります。
マイナススワップがある
スワップポイントは通貨ペアのうち金利の高い方の通貨をロングで保有することで、金利差に応じた金額を受け取れる仕組みです。
そのため金利の高い通貨をショート(売り)で保有すると逆にスワップポイントを支払う必要があります。
たとえばアメリカの金利が1.9%、日本が-0.1%、米ドル/円のスワップポイントが1円とするとスワップポイントは以下のように扱われます。
米ドル/円をショート:スワップポイントを支払う
取引ができない時間に相場が急落
スワップポイントで利益を狙う場合、数週間や数ヶ月などの長期保有が一般的です。長期保有することで相場の急変に対応できないことがあります。
なぜなら土日は為替取引が行えません。しかし世界情勢は土日に関係なく24時間変化します。そのためポジションを保有したまま土日に入り、相場を揺るがすイベントが発生した場合に対応できません。
スワップポイントで利益を狙う場合、長期保有が前提であるため直近の問題に対応できないリスクがあります。
スワップポイントを利用してFXで稼ぐ5つのコツ
スワップポイントを狙ったFXは、メリットに対してデメリットが多いように感じる方もいるのではないでしょうか。本章ではデメリットによるリスクを減らすためのコツを紹介します。
紹介するコツを理解できればFX初心者でも簡単に実践できる内容となっています。スワップポイントで稼ぐためのコツは下記の5つです。
- 複数の通貨ペアに分散
- 短期取引と資金を分ける
- 為替差益を考慮
- 証拠金を確認
- レバレッジを低めに設定
複数の通貨ペアに分散
分散投資は投資の基本です。複数の通貨ペアに分散することで、スワップポイントを貯めやすいのと同時にリスクヘッジにもなります。一つの通貨ペアに集中的に投資をしてしまうと、相場が急変した時のリスクが大きくなります。
特にスワップポイントの高い傾向にある通貨ペアは相場の急変が起こりやすい特徴があります。そのため複数の通貨ペアのポジションを保有しておくことが重要です。
短期取引と資金を分ける
スキャルピングやデイトレードなどの短期取引を同時に行う場合、資金を分けて考えるのがおすすめです。なぜなら短期取引の損失などが長期保有に影響し、ロスカットなどのリスクがあるからです。
資金を分けて考えることで、「それぞれ何円まで損失が許容できるか」というリスクコントロールが行いやすくなります。
為替差益を考慮
スワップポイントばかり見てしまい、為替差益を忘れないように注意しましょう。FXの収益のメインは為替差益です。
特にスワップポイントを狙った長期保有の取引では値動きも大きくなる傾向があります。「スワップポイントは得られたけど総合的にマイナス」とならないように為替差益は頻繁に確認しましょう。
証拠金を確認
ポジションを長期保有していると忘れがちなのが証拠金の確認です。保有している通貨ペアの為替が変動すれば必要な証拠金も変動します。
証拠金が不足し、FX会社の定める基準を下回るとロスカットになります。値動きの大きい長期取引では証拠金残高の都度の確認が必要です。
レバレッジを低めに設定
レバレッジを高くするのは短期取引では大きな利益を狙えるため有効な手段ですが、長期取引では低めに設定するのがおすすめです。
なぜなら長期取引では短期取引にくらべて値動きが大きくなります。そのためレバレッジが低くても大きな利益を狙えます。
またレバレッジを高くしすぎるとロスカットのリスクが大きくなります。スワップポイントを狙った長期取引ではレバレッジを低くしておくことがおすすめです。
スワップポイント狙いのFXにおすすめの通貨ペア
スワップポイントを狙ったFXにおすすめの通貨、日本との金利差を紹介します。
通貨 | 日本との金利差 |
---|---|
トルコリラ | 19.1% |
メキシコペソ | 4.6% |
南アフリカランド | 3.6% |
中国人民元 | 4.45% |
ロシアルーブル | 6.6% |
FX会社のスワップポイントを一覧で比較
国内FX会社の主要通貨、高金利通貨のスワップポイントを一覧で紹介します。
FX会社/通貨ペア | 米ドル/円 | ユーロ/円 | ポンド/円 | トルコリラ/円 | メキシコペソ/円 | 南アフリカランド/円 |
---|---|---|---|---|---|---|
GMOクリック証券 | 4(買) | 13(売) | 7(買) | 40(買) | 5(買) | 8(買) |
DMM FX(DMM.com証券) | 8(買) | 11(売) | 9(買) | 扱いなし | 5(買) | 8(買) |
LINE FX | 6(買) | 14(売) | 7(買) | 42(買) | 7(買) | 9(買) |
松井証券(MATSUI FX) | 3(買) | 10(売) | 0(買) | 50(買) | 5(買) | 9(買) |
外為オンライン | 0(買) | 0(買) | 0(買) | 45(買) | 5(買) | 5(買) |
LIGHT FX(トレイダーズ証券) | 4(買) | 2(売) | 12(買) | 45(買) | 7.1(買) | 9.1(買) |
みんなのFX(トレイダーズ証券) | 4(買) | 2(売) | 12(買) | 45(買) | 5.1(買) | 8.1(買) |
インヴァスト証券(トライオートFX) | 9(買) | 5(売) | 6(買) | 50(買) | 扱いなし | 9(買) |